からだの声と銀の鍼

世田谷区用賀の竹内鍼灸治療院/自然の摂理に身をゆだね、心とからだを銀の鍼で紡ぎます

経絡治療に思うこと1

治療中、鍼やお灸を患者さんにあてたときに「ああ、今のところからすーっと流れていく感じがします」とお話しされる方が時々いらっしゃいます。「どのように流れました?」と聞くと経絡の流れに沿っていることがよくあります。患者さんは経絡の走行を知りませんので、あとで院内にある経絡人形を見てもらうと「おお~」と驚かれます。

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私が施術しているときは、鍼を持つ右手(刺し手)の鍼先が緩んだ感じや、鍼先を抑える左手(押し手)の手のひらにふわっと広がる感覚を気の流れる合図と判断し、鍼を抜きます。この間、数秒です。

 

この私の感覚とほぼ同時に、患者さんから先ほどの言葉が発せられることが多いのです。もちろん、すべての患者さんがそのように感じるわけではありません。鍼をしているのにお灸のように温かいとか、鍼とは別の箇所にじわじわとくる、などいろいろです。特に何の変化もないということも普通です。感じないからと言って気が流れていないとか、鍼の効果が伝わらないということではありません。

 

鍼の影響は脈やお腹の変化として現れます。患者さんのお腹が鳴ったり、施術中に静かな眠りに入るのは副交感神経が優位になり、心身がリラックスしているからです。施術後は肌の血色がよくなり、全身が軽く感じるのは気血がめぐり自己回復力が高まっている証しです。

 

よく鍼はプラシーボ効果、つまり心理的影響や思い込みなのではといわれることがあります。しかし本当にそうでしょうか。ではどうして言葉を介して説明できない赤ちゃんや動物にも鍼が有効なのでしょう。

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鍼大好き。我が家のにゃんこ。

 

私が実践している経絡治療の沿革は、中国古代の東洋哲学(黄帝内経の素問・霊枢、難経)に根差した考えをもとに、奈良時代のはり医術から江戸時代のはり医の学術の流れを汲んでいます。明治政府により西洋医学の普及が促進され鍼灸治療は衰退していきますが、昭和の初めに柳谷素霊という人物が『古典に還れ』と叫び、その声に応じた竹山晋一郎、井上恵理、岡部素道により唱えだされたものが経絡治療の成り立ちです。

 

西洋医学による刺激理論の局所的な鍼灸とは一線を画した経絡治療は、中国伝来の鍼灸術が日本において発展した古典臨床鍼灸です。

 

実はこの経絡治療、海外でも実践する鍼灸師が多数おります。私が所属する経絡治療の学術団体『東洋はり医学会』は海外14支部が存在し、これほどの拡がりは他団体では見られません。

 

その理由として考えられるのは、日本鍼灸といわれる経絡治療ですが、決して日本人のためだけの鍼灸という位置づけではないからです。各地の風土、ひとりひとりの生活環境、心身一如(心と体はひとつである)の考えを持ち、自然の摂理に従って実践する鍼灸術だからこそ、世界各国でも受け入れられているのではないでしょうか。

 

このような臨床を日々行っていますと、鍼灸は医療という枠を超えてもっと何か大きな集合的意識の中に存在するのではないかと私は考えるのです。そしてその疑問を明らかにするべく、先月私はとあるセミナーを受講したのですが...

 

つづきは次回。

 

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脈診経絡治療 竹内鍼灸治療院

太古の息吹

先日、父の安否確認で北海道に帰省しました。老いを重ねる父にとって、冬の暮らしは年々厳しさを増しているようです。実家の裏の畑から望む日の出。樹木のむこうには大雪山が連なります。この時期、まもなく雪原に灰色の融雪剤が撒かれ、美しい白さは失われます。しかし長い冬の終わりを告げるその光景を父は安堵して眺めるのでしょう。

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そして私たち家族は道北の実家をあとにして、登別温泉のすぐ近く、白老町へと向かいました。宿泊先の宿海の別邸 ふる川 | 北海道 白老の温泉旅館は眼前に太平洋が拡がる素晴らしいロケーション。

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 (宿のHPより画像拝借)

 

今回の帰省でどうしても訪れたかったのが、ここ白老(しらおい)の地。白老の歴史は8千年前の縄文時代までさかのぼります。写真、ホテル眼下の海沿いから続くアヨロ海岸一帯の虎杖浜地区ではアイヌ文化の遺跡が多く発掘されています。5千年前の縄文時代前期、3千年前の純文時代晩期の土器等が出土され、太古の息吹を間近に感じるエネルギーに満ち溢れた場所なのです。縄文時代に並々ならぬ憧れを抱いている私にとってはまさに聖地!

 

アヨロ海岸にはアイヌ語でアフンルパロ(あの世の入り口)とよばれる洞窟があるそうです。昔、昆布拾いをしていたおじいさんが、亡くなったはずのおばあさんを浜で見かけて声をかけたが、大きな岩穴に入って消えてしまった。という言い伝えがあるそうです。黄泉の国のようなお話です。残念ながら時間がなくて行けなかったのですが、次回はぜひ訪れてみたいです。

 

ホテル館内には縄文土器や丸木舟などが飾られ、ラウンジの華美でない重厚な家具や囲炉裏、書棚がよい雰囲気。そしてここでは時間ごとに違うフリードリンク、こだわりのヨーグルト、食前酒、食後のホットワインのサービス、豚汁などが次々と振る舞われ、とても居心地がよいのです。おすすめのホテルですよ!

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部屋のテラスから太平洋を一望。今年は母の13回忌。父、元気でね。

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脈診経絡治療 竹内鍼灸治療院

 

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待つということ

当院の待合室にかわいい絵本棚を設置しました。

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注文を受けてから制作。職人さんの丁寧な仕事が伝わります。約半年待って、春の足音が聞こえてくるこの季節にぴったりの優しい雰囲気の絵本棚が届きました。大量生産品にはないぬくもりを感じます。

 

経絡治療における鍼の手法にはこのような文言があります。

鍼は極めて軽く持ち、吸い込まれる如く自然に刺入しなければならない。一定の深さに達したならば、留めて気をうかがい、気の動きを診、目的を達するを見て抜き去るのである

鍼で人体に気を補うには、術者の意志だけで鍼を進めてはいけません。心静かに気をうかがい、しかるべき時まで鍼先に気が至るのを待ちます。そして患者さん自らの力で伸びやかに気が流れ出すのを確認して間髪入れずに鍼を抜き去ります。

 

私はこのような手技を毎回行って治療しています。鍼先に気が至るということは、患者さんの自然回復力を『信じて待つ』よりほかは成立しないのです。気の巡行が正しく整うと体と心は自然と健康へ向かいます。その力を引き出すのが我々「鍼灸家」です。資格取得のみでいうところの「鍼灸師」とは意味合いが違います。

 

この内側から湧き出る想念によって、あたたかい春の風のような気が流れ出します。経絡治療の真髄は、焦らずに信じて待つ、ここにあるのかもしれません。

 

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こちらへお引越し

アメブロからこちらのブログに引っ越しました。

これまでも鍼灸のことや日頃のあれこれを綴ってきましたが、ちょっとよそゆきな感じを自分でも抱いておりました。

 

これからは一般的な鍼灸治療のイメージだけはない、エネルギー治療としての鍼の神秘性をお伝えできるといいなと思っています。

 

さまざまなアプローチで展開していきますのでお楽しみに。

 

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